【Introduction of Iwakura253】Visit・Photo:2017.3.18/Write:2026.7.1
□分類:磐座(狭義の磐座)
□信仰状況:神社に祭祀されている。
□岩石の形状:巨岩組、周囲に巨岩群
□備考:人工物と推測、祟り石
□住所:岡山県赤磐市惣分
□緯度経度:34°51'19.50"N 134°01'09.09"E
(googleに入力すれば場所が表示されます
岡山から県道27号線を北に走り、惣分の丁字路で東に折れて257号線を2キロメートル進むと、惣分の八幡宮が見えてきます。この神社を過ぎるとすぐに「岩神」と彫られた石碑が立っており、そこが入口です。山道を20分ほど登ると分岐点に差しかかります。左側の道がもともとの参道です。岩門から100メートルほどの場所に岩神神社が鎮座しています。
神社の裏には巨岩群があり、一番奥にゆるぎ岩(船岩)があります。
神社の説明書には、次のように書かれています。
「名称 岩神(ゆるぎ岩) 場所:赤磐市惣分北浦1 春季大祭 毎年四月第三日曜日
ゆるぎ岩 重さ数十トンはあろうか。大中小三つの巨岩が重なり合う。そのうち一番上の左端をもちあげるように上下すると、やがて揺れだす。自然の<妙>とはいえ、やはり恐ろしいばかりだ。これが地元で<岩神さまのゆるぎ岩>と呼ばれている岩の神様である。所在地は赤坂でも最も北寄り。吉井と境を接する岩神山(標高二百四十メートル)の尾根筋突端で、ここに岩神さまは岩神神社として祭られている。岡山方面からだと県道岡山―吉井線を北上、坂辺の交差点を右折して進めば、やがて惣分集落だ。岩神の道標あり、そこから山に取って入り、急坂のつづら折れの山道を登ること約三十分、広場に出るが、ここが岩神神社の境内である。一角には拝所もあって、その奥にクヌギやナラの木立に覆われて花崗岩の巨石群が露出している。ゆるぎ岩もこの巨石群の一つで、これら巨石群全体が同神社のご神体だ。ゆるぎ岩の一番上の岩はいつのころからか船岩と称されている。船岩にはこんな言い伝えがある。『昔、船岩がなぜか崖下に落ちた。すると近郷では悪病が流行し、大いに苦しんだ。そこで里人達は山に登り祈願をしたところ一夜のうちに、船岩は元通りになっていた。多分、天狗の仕業であろうと里人は言い合った。岩の上には今でも天狗のつめ跡が残っている。』」
ゆるぎ岩が落ちると悪病が流行するという伝承は、このゆるぎ岩が祟り石としての性格を持っていることを示しています。
ゆるぎ岩(船岩)は、まさに奇異な光景であり、他に類を見ない形状の構造物で、三段構造となっています。
上岩(ゆるぎ岩):長さ5.2メートル、幅1.8メートル、高さ0.9メートル、重量10トン以上
中岩:長さ5メートル、幅2.5メートル、高さ1.5メートル、重量40トン以上
下岩:長さ6.7メートル、幅4.6メートル、高さ3メートル、重量200トン以上
この三つの巨岩は、互い違いに方向を変えながら組み上げられています。
花崗岩が節理によって割れる場合は、縦横に規則正しく割れることがほとんどであり、このような残存景観になることは考えにくいものです。ゆるぎ岩が人の力で揺れるのは、一番上のゆるぎ岩と二番目の岩石の接点が一点で接しているためであり、このような形状が風化によって形成されたとは考えられません。特にゆるぎ岩(船岩)の形状は非常に複雑であり、おそらく二番目の岩石の上に載せた後、バランスが取れるように岩石を少しずつ割って整形したものと考えられます。
筆者はこれらを人工物であると推測していますが、赤磐市教育委員会は現地に次のような案内板を設置しています。
「赤磐市指定文化財 岩神のゆるぎ岩 惣分
岩神神社の御神体である巨石群の一つ。船形の石(長さ5m)が台石と一点で接し支えられ、揺り動かすことができる。このため、ゆるぎ岩と呼ばれる。花崗岩が節理にそって割れ風化して生じたもので、自然の造形による。一帯は花崗岩帯であり、この岩に特有な風化状態を示す代表的なものである。周囲には畳岩・烏帽子岩があり、岩神神社は脳の病気に霊験があるとされる。 昭和五十四年十二月指定 赤磐市教育委員会」
赤磐市教育委員会は、この巨石群を自然に形成されたものと説明しています。しかし、本当にそうなのでしょうか。節理と風化によって、このような岩組みが形成されることはないというのが筆者の考えです。もし自然に形成されたとすれば、偶然が幾重にも重ならなければならず、それこそ奇跡が起こった場合に限られるでしょう。
また、このゆるぎ岩を取り上げたテレビ番組では、ゆるぎ岩がどのように巨岩の上に載ったのかについて、専門家が次のように説明していました。この一帯はかつて土で覆われており、すぐ近くの畳岩の上部が移動して現在のゆるぎ岩となり、その後、土が失われて現在の姿になったというものです。しかし、このような現象が自然に起こる可能性は極めて低く、この説明は、まさにゆるぎ岩の建造方法を説明しているに等しいと筆者は考えています。
「天狗が修復した」という伝説も、この巨岩組を建造した石工達を言い表したものではないでしょうか。
イワクラハンター平津豊
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