0249 山梨県 大石神社の甲石

【Introduction of Iwakura249】Visit・Photo:2018.10.21/Write:2026.5.23


□分類:磐座(狭義の磐座)

□信仰状況:神社に祭祀されている。

□岩石の形状:巨岩組

□備考:周辺に巨岩群

□住所:山梨県山梨市西

□緯度経度:35°43'19.38"N 138°41'44.47"E

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山梨市西の小高い大石山に大石神社が鎮座しています。現在の御祭神は大山祇命ですが、江戸時代には、「大石明神」あるいは「岩手大明神」と呼ばれていました。そして、1814年に松平定能によって編纂された『甲斐國志』には、次のように書かれています。

「大石明神 岩手村 黒印二石八斗八升社地 縦百七十四間餘 横百四十七間餘 村ノ西北山中ニ鎮坐ス麓ヨリ石磴ヲ登ル〇一町許社記ニ云〇祀大山祇命ナリ社中ノ御影石高四丈二尺周廻三十七間餘形像全然ト〇首鎧ニ似タリ最頂方二間許ノ平地ニ古松樹アリ其ノ他烏帽子石屏風石影向石産屋石浮橋石百足石胎内岩冨岩尾笠石八畳敷石厰等皆巨石ナリ神號村名ノ起ル所ト云高峯ヲ物部山ト稱ス故ニ物部神社ナリト云フ神寳拳(コブシ)石 長四五寸形握リタルカ如シ 剣鏡弓矢金幣等アリ又元亀二年 辛未 四月朔日岩手郷棟別免許ノ朱印ヲ藏ム古ハ岩手氏代々尊崇シ造営修理アリシトナン神主手塚兵部口十 男四女六 ※〇は判読不明又は表記不能文字」

『甲斐國志』では、この山を「物部山」と記し、大石神社は物部神社であると伝えています。この物部神社は、927年成立の『延喜式神名帳』において、甲斐国山梨郡に鎮座する式内社として記載されています。また、神宝として拳石(こぶしいし)が伝わることも記されています。

 

神社の社殿は、南東に向けて建てられており、参拝者は北西方向を拝する形になります。本殿の背後に「甲石」と呼ばれる巨岩があり、その南西には浮舟石、北東には産屋石があります。これらは、巨大な岩塊が割れて形成されたものと考えられます。

さらに大石山には、立烏帽子石、影向石、屏風石、尾笠石、指問石、百足石、烏帽子石、雷石、富石、鎧石など、多くの名称を持つ巨岩が点在しています。

このような巨岩群を有する山は修験道的の雰囲気を感じさせるものがありますが、これらの岩石名には仏教色が薄く、神道色が残っています。そのため、仏教による上書きが免れた場所と考えられます。

岩石信仰の中心は本殿の後ろにある甲石でしょう。この「甲石」の読み方は明らかではありませんが、もし「こういし」と読むのであれば、「こう」は「神」を意味する言葉なので、まさに「神の石」を表す名前になります。

このように、神社祭祀と結びついた岩石であることから、狭義の磐座に分類しました。 

イワクラハンター平津豊

 

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