0231 山口県 角島の鬼の岩

【Introduction of Iwakura231】Visit・Photo:2026.2.28/Write:2026.3.22


□分類:伝説岩石(非イワクラ)

□信仰状況:信仰の形跡なし

□岩石の形状:岩単体

□備考:元は奇岩

□住所:山口県下関市豊北町大字角島

□緯度経度:34°21'06.92"N 130°51'25.63"E

(googleに入力すれば場所が表示されます□分類: 

Google マップは現在の Cookie 設定では表示されません。「コンテンツを見る」を選択し、Google マップの Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Google マップの[プライバシーポリシー]をご確認ください。Cookie の利用は、[Cookie 設定]からいつでも変更できます。

下関市の角島中央部の南海岸に、鬼の岩と呼ばれる岩石があります。

海岸には、この岩にまつわる、以下のような伝説が書かれています。

「〈伝説〉鬼の岩  むかし むかし 島戸の高坪山にたくさんの鬼がすんでいました。鬼たちがたびたび里へおりて、家々からお酒をくすね、わるさをするので村人たちはたいそう困っていました。たまりかねて村人たちは、住吉の大神に相談することにしました。話を聞かれ大神は、何か考えておいででしたが「そうだ」とうなづかれ、鬼の大将を呼ばれました。そして、「どうじゃ、わしと賭けをしないか。一晩のうちに島戸と角島の海を陸続きにすることができたら、なんでも望みのものをやろう。じゃが、できなかったら山から追放するぞ。」とおっしゃいました。鬼たちは、これはやすいこと、何でも好きなものが手に入ると、一も二もなく賛成しました。日が暮れるや、岩を海に投げ始めました。赤鬼が赤い顔をいっそう真っ赤にして大石を運べば、青鬼は青筋をたてて岩を切り出します。ほかの鬼もまけてはいません。みんな掛け声を出しながら、どんどん岩を投げ込みました。鬼たちの勢いに、見る見るうち海が埋まり、半里(約二キロ)の海が夜明けには、陸続きになりそうでした。村人たちは「こりゃ、大変」と、はらはらしながら、その様子を遠くから眺めていました。始めからじっと見ておられた住吉の大神は「なんと、鬼どもがこんなに頑張るとは」と、すこしあわてられたご様子でした。そこは神様、やがてにっこり、急いで樹上にあがられ、まだ薄暗い大空に羽音を響かせ、夜明けを告げる一番鶏の鳴き声をまねされました。もう少しで、出来上がると思っていた鬼どもは「しまった!もう夜が明けてしまった」「俺たちの負けだ」「くやしいのう!」と、がっくり力を落とし、その場に座り込んでしまいました。平和が戻った村人たちは、住吉の大神に感謝して、鬼の逃げた高坪山に祠をたておまつりしました。このとき、鬼の投げた大きな岩が鳩島で、干潮のとき歩いて渡れそうな海土ケ瀬は、小さな岩をたくさん投げた所だと伝えられています。

この前の岩は、投げた鬼の手形がついているといわれ、「鬼の岩」と呼ばれています。鬼が勢いあまってこんな遠い所まで投げたのでしょう。

平成十二(二〇〇〇)年十一月 豊北町 豊北町観光協会 豊北町郷土文化研究会」

 

本伝説は、郷土に伝わる口承が後に文章化されたものであり、その成立年代は明らかではありません。

筆者は、この伝説の成立過程について次のように考えます。いわゆる「鬼の岩」は、海岸の岩石が長い年月のあいだに波や風の影響を受け、侵食によって形成されたものです。とりわけ、岩の表面に孔状の凹凸を生じさせるタフォニによって複雑な形状となり、独特の外観を呈しています。

この岩を横から見ると、大きく口を開けた人の顔のようにも見えることから、人々の想像力によって「鬼」の姿が見出され、「鬼の岩」と呼ばれるようになった可能性が高いと考えられます。すなわち、これは自然の作用によって生じた奇岩に対する視覚的印象が名称の由来となったものです。

そして後の時代になって、この印象的な岩の存在が、「鬼が岩を投げて角島を陸続きにしようとした」という物語と結びつき、現在のような伝説として語られるようになったのではないでしょうか。

本例は、基本的には奇岩ですが、伝説と結びついているため「伝説岩石(非イワクラ)」に分類しました。

イワクラハンター平津豊

 

#イワクラ #磐座 #巨石 #megalith #古代祭祀 #巨石文明 #古代文明 #平津豊 #イワクラハンター #山口県 #下関市 #豊北町 #角島 #鬼の岩 #鬼


本ページのリンクおよびシェアは自由です。

最近、本ページの内容をそのままコピーして転載しているサイトを見かけますが、本ページの内容、テキスト、画像等の無断転載(複製して他の媒体に公開)を固く禁じます。特に、まとめサイト等への使用を厳禁いたします。また、出典を明記しての引用は許可していますが、以下の引用のルールに則って行ってください。それ以外は「盗用」「剽窃」となります。1.引用元が明示されていること/2.引用部分が明確に区別されていること/3.引用部分を修正していないこと/4.引用する必然性があること/5.分量的にも内容的にも、自分の著作部分が主で、引用部分が従であること


[さらに詳細な情報]