0211 広島県 のうが巨石群 タイル石

【Introduction of Iwakura211】Visit・Photo:2019.4.14/Write:2026.1.17


□分類:目的不明の岩石遺構(広義のイワクラ)

□信仰状況:信仰の形跡なし。

□岩石の形状:巨岩組、表面にタイル状の石が存在している。

□備考:私有地で立ち入り禁止。

□住所:広島県廿日市市宮内

□緯度経度:34°22'10.11"N 132°16'18.20"E

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広島県廿日市市宮内にのうが高原と呼ばれる場所があります。1965年頃から株式会社のうが高原によって開発され、1971年にレジャー施設が建設されました。のうが高原ホテルを中心として、キャンプ場、湖、プール、茶室、乗馬クラブ、展望台までのリフトなどを備えた一大観光地でした。ピーク時には年間30万人の集客を誇った施設でしたが、1986年にその事業は終了し、立ち入り禁止区域となり、現在は、地権を受け継いだ会社によってメガソーラー施設に変わっています。

のうが高原の中に標高719メートルの野貝原山がありますが、この場所の周辺に巨石群が存在しています。

その中で最も興味深いのは、タイル石です。3.5メートルほどの2つの重なった岩で、その表面にタイル状の石が貼り付けられたように見えます。タイル状の石は20~30センチメートルの大きさで、厚みは2センチメートルほどです。本体の岩との岩質も異なります。

エジプトのピラミッドがトゥーラ石灰岩の化粧石で覆われて白く輝いていたように、このタイル石も野貝原山を覆っていた化粧石ではないか。というような考えが発見当時から広まっていました。

坂本弘『発見された人類宝庫 広島のうがピラミッド』広島陽光クラブ(1977)によると、この峰を切り開くときに明石村の老人が、「東の峰に光るものがあるそうじゃが、昔からそのそばに寄ったら危ないといわれとるから、そっちはいかんほうがいい。」と言ったといいます。また、『サンデー毎日 緊急増刊 日本にピラミッドがあった』毎日新聞社(1984)によると、のうが高原には光る石があり明石村の人は毎朝、高原に手を合わせて拝んでいたようで、株式会社のうが高原の鍛冶岡社長は、のうが高原には夜光石があって、その光を頼りに漁船は瀬戸内海を航行した。と祖母から聞かされたと証言しています。筆者は、これらの証言の光るものが、タイル石だったのではないかと推測しています。おそらく麓の明石村の「明石」は、光る石に因んで付けられた名前でしょう。

このタイル石に良く似た石が岡山県白石島の鎧岩です。鬼ケ城という山の頂上の北面の一部をタイル状の石が覆っています。

タイル状の石については、自然に形成された景観なのか、人工的に取り付けられたものなのかということが最大の問題です。

1984年のサンデー毎日の調査に同行した広島大学の岩石学の吉田博直助教授は、このタイル石はアプライトであり、節理でたまたまタイル状になったと断定しています。つまり、アプライトおよびペグマタイトの岩脈が急な斜面と平行に存在していて、その外側だけ割れて落ちて、偶然にこのように残ったという説明です。自然には非常に起りにくいので白石島の鎧岩は天然記念物に指定されています。これは、自ら苦しい説明だと認めているようなものです。

一方で、人が造ったのならばどのようにしてタイル状の石を強固に貼り付けたのかという問題が残ります。筆者はセメントが使われたであろうと推測しています。

現在のコンクリートは1824年に発明されたポルトランドセメントですが、寿命は100年程度です。しかし、ローマ時代に建てられたコロッセオは、強固なコンクリートが使われ2000年を経ても現存しています。さらに、9000年前のイスラエルのイフタフ遺跡から石灰を使ったプラスターが出土しています。ここでも我々現代人が古代人より進歩していると考えることが思い込みであることがわかります。日本の縄文時代に強固なセメントがあったとしても何ら不思議ではありません。

地質学で説明可能だからと言って、人造の可能性を捨てるべきではありません。特に地質学の説明に「奇跡的に」、とか「たまたま」という言葉が使われている場合は、なおさらです。タイル石の接着部分の成分分析を行えば、この議論は前に進めることができると考えています。

2019年にタイル石を訪れて、残念だったのは、発見時に比べて、タイルが1枚剥ぎ取られていることでした。不届き者による理解に苦しむ行為です。

 

イワクラハンター平津豊

 

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