0210 広島県 のうが巨石群 東の塔岩

【Introduction of Iwakura210】Visit・Photo:2019.4.14/Write:2026.1.11


□分類:目的不明の岩石遺構(広義のイワクラ)

□信仰状況:信仰の形跡なし。

□岩石の形状:巨岩組

□備考:私有地で立ち入り禁止。

□住所:広島県廿日市市宮内

□緯度経度:34°22'13.50"N 132°16'36.43"E

(googleに入力すれば場所が表示されます

□分類: 

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広島県廿日市市宮内にのうが高原と呼ばれる場所があります。1965年頃から株式会社のうが高原によって開発され、1971年にレジャー施設が建設されました。のうが高原ホテルを中心として、キャンプ場、湖、プール、茶室、乗馬クラブ、展望台までのリフトなどを備えた一大観光地でした。ピーク時には年間30万人の集客を誇った施設でしたが、1986年にその事業は終了し、立ち入り禁止区域となり、現在は、地権を受け継いだ会社によってメガソーラー施設に変わっています。

のうが高原ホテルは、もともと存在した巨大な岩組を囲むように風呂場を建設して名物となっていました。この巨大な岩組は、高さ18メートルと6階建てのビルに相当し、一番大きな岩石は700トンを超える大きさです。この巨大な岩組を風呂場として取り込む建設はさぞかし大変であったと思います。

中心となる巨岩の大きさは、以下のとおりです。最下段:幅9.6、奥8、高さ3.5メートル。二段目:幅9.3、奥8、高さ3.5メートル。三段目:幅10、奥4、高さ5.5メートル。四段目:幅4.6、奥3、高さ3.5メートル。五段目:幅4.9、奥3.5、高さ2メートル。

この巨岩組を「東の塔岩」と呼ぶことにします。

一段目と二段目の間には小さな石が挟まっていてバランスを保っているように見えます。また、五段目の平たい石について、坂本弘『発見された人類宝庫 広島のうがピラミッド』広島陽光クラブ(1977)によると、本来は、この岩が立っていて太陽を反射していた鏡石ではないかと推測しています。筆者は、この巨大な岩組を人が積み上げたことについては否定的です。五段目の鏡石も含めて節理による自然の造形と考えています。しかし、この岩組に人の手による加工が施されている可能性は残っています。横方向は節理としても縦方向の面は、人為的に割られた可能性が高いと考えています。風呂場の造成前は、巨大な岩組の下の方に岩の階段が20段ほどあったことからも、この巨大な岩組みに加工が施されていても不思議ではありません。

筆者が割られたと考える岩面は158°の方向に向いており、この方向の11キロメートル先に宮島の弥山(みせん)が位置しています。この弥山も不思議な現象が報告されている山です。そして、この方向から見える宮島の山の稜線は、仰向けに横たわった女性に見えます。地元の人はこれを「寝観音」と呼んでいます。東の塔岩は、この「寝観音」を拝する場所だったのかもしれません。もちろんこの「寝観音」の「観音」は仏教用語なので、仏教伝来以降に付けられた名前です。先史時代においては、子供を産む女性は豊穣のシンボルであり神秘の対象でもありました。それゆえ、縄文時代には妊娠した女性を模した土偶が盛んに造られたのです。古代人は、のうが高原の東の塔岩からこの眠れる女性の姿を見て、地母神が出現したヒエロファニーを感じ、崇拝したのではないでしょうか。

なお、筆者が訪れた2019年時点で風呂場は取り壊される途中でした。そのあと、この東の塔岩が残っているのか崩されているのかの確認はできていません。

 

イワクラハンター平津豊

 

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