0205 兵庫県 高岳神社の蛤岩

【Introduction of Iwakura205】Visit・Photo:2014.5.4/Write:2025.12.27


□分類:磐座(狭義の磐座)

□信仰状況:神社に祭祀されている

□岩石の形状:巨岩群、岩盤

□備考:

□住所:兵庫県姫路市西今宿

□緯度経度:34°50'55.384"N 134°39'43.909"E

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姫路市西今宿の蛤山に高岳神社が鎮座しています。

延喜式に掲載されている式内社で、延喜式では「高岳」に対して「タカミクラノ」と「タカヲカ」という振り仮名が併記されています。現在、周りの地名は「高岡」と記載されていますので、一般的には「たかおか」と呼ばれています。

境内の石碑には次のように彫られています。

「式内 旧県社 髙岳神社由緒碑

祭神 應神天皇 仲哀天皇 崇道天皇 事代主神 猿田彦神 住吉大神

伊豫親王 藤原夫人 宇賀魂命 市杵島姫命 水分神

由緒

当社は延喜式内の社にして国内神名帳大神二十四社の内八所明神の一なる当国第五の宮にして旧安室郷の総氏神なり 時の武将世々の国司領主の尊崇厚く延暦元年坂上田村麿幣帛を奉り寛元年中鎌倉幕府執権北條経時佐貫十郎を遣して祈雨祭を行い天文元年赤松政則本殿を修復して草上の地五町を献じ寛永十八年姫路城主松平下総守神供料を寄附し以後累代の城主之を安堵す さて初め当社は新在家八疊岩山に祀られしを天長三年九月九日に此蛤山に奉遷す 此所は和名抄に草上郷とある所にして後に安室郷となれり 境内には巨大なる岩石多く殊に社殿の背後にそびゆるもの最も怪奇なり 昔土地の人此岩上にて蛤を拾い福徳長寿の幸を得しかば名付けて蛤岩と称す 当社の宝物に蛤の化石今に伝われり 明治七年二月郷社に列し昭和七年九月県社に昇格す

祭日

記念祭 二月十七日 春祭 五月十五日 夏祭 七月十三日 例祭 十月九日十日 新嘗祭 十一月二十七日 式年御開帳臨時大祭 二十一年目毎」

 

社伝では、826年に八丈岩山から蛤山に遷座したとことになっています。

高岳神社から東に1.8キロメートルの所にある172.6メートルの八丈岩山は、『播磨国風土記』に登場する「因達の神山」と考えられ、射楯兵主神社の旧地ともいわれている聖山で、頂上に八畳ほどの磐座が存在しています。

『日本の神社』(白水社、1984)によると、『播磨明神記』に、826年に八丈岩山に化童が出現して我は高岳の神なりと言い、まず、古宮という字に祭祀され、その後に現在の蛤山に祀られたとの記載があるようです。

これは、聖山である八丈岩山の祭祀が麓に降りて、さらに山から離れていく現象であり、持論である「磐座から神社への変遷説」にかなったものです。しかし、変遷説では山から離れると磐座が忘れ去られるのですが、高岳神社の場合は、遷座した先の蛤山で巨岩を祀っていることが特殊なケースと言えます。

社殿は1934年に火災に遭ったため新しいものですが、社殿の東に10メートルを超える巨岩があり、その北側には岩山の岩盤に玉垣をめぐらし、狛犬と石の鳥居を設置して巨岩を祀っています。この巨岩は4メートルほどの高さです。つまり、これらの巨岩は、岩盤に突き出た巨岩として一体のものとして祀られているようです。

昔、この岩の上で蛤を拾って福徳長寿の幸を得た人がいたので、これらの巨岩は蛤岩と呼ばれています。

蛤山には古墳もあり、この蛤山もまた聖山であったと思いますので、これらの巨岩は社殿が建つ前から祭祀されていたと推測します。そして、八丈岩山には「高岡神社旧跡」という石碑が建ってはいるものの、本来は、高岳神社の磐座祭祀と八丈岩山の祭祀は別のものではないかと考えています。

 

イワクラハンター平津豊

 

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