0188 奈良県 ダンノダイラの白山

【Introduction of Iwakura188】Visit・Photo:2015.5.2/Write:2025.9.20


□分類:奇岩(非イワクラ)

□信仰状況:祭祀されていない

□岩石の形状:岩群

□備考:秉田神社の元宮の可能性あり

□住所:奈良県桜井市

□緯度経度:34°32'12.134"N 135°52'51.769"E

(googleに入力すれば場所が表示されます)

Google マップは現在の Cookie 設定では表示されません。「コンテンツを見る」を選択し、Google マップの Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Google マップの[プライバシーポリシー]をご確認ください。Cookie の利用は、[Cookie 設定]からいつでも変更できます。

三輪山から尾根続きで東に1.7キロルートルの位置にダンノダイラと呼ばれる地域があります。【Introduction of Iwakura187】で、このダンノダイラの磐座は、ダンノダイラから南に1.3キロメートル降った場所に鎮座する十二柱神社の元宮で、出雲村の人々が拝していた可能性が高いと書きました。一方、ダンノダイラから東に0.9キロメートル降ったところに秉田(ひきた)神社が鎮座しています。

『延喜式(927)』国史大系編修會、吉川弘文館1972には、「曳田神社二座鍬靫」と書かれており、この秉田神社は式内社と考えられています。現在の御祭神は、大己貴命、高龗神、豊受比売命ですが、高龗神と豊受比売命は1909年に合祀した神で、本来は大己貴命(大国主)を祀る神社でした。『特選神名牒』内務省版、思文閣出版1925には、「秉田神社二座 祭神 大巳貴命、今按秉田は一本曳田とあり續日本紀神護景雲二年二月壬午大和國人従七位下大神引田公足人大神私部公猪養大神波多公石持等二十賜姓大神朝臣とあるをもて考えふるに社傳に云る如く大神引田公の祖大巳貴神を祭るなるべしされど一座は未だ詳ならず。」と、秉田神社は、引田氏の神社とも考えられています。天武天皇が「三輪引田君難波麻呂」を高麗へ派遣した記録があり、この引田氏は三輪山の祭祀を行なった三輪氏つながる一族との説があります。また、饒速日命の降臨に随伴した「疋田物部」であるという説もあります。『古事記』には、次のような話が書かれています。「雄略天皇が、三輪川で衣を洗っている少女に誰の子かと尋ねると「引田部の赤猪子」と答えた。天皇は、「ほかの男に嫁がないでくれ。今に宮中に召そう」と言って朝倉宮に帰った。それから80年が経った。年老いた赤猪子は、これまで天皇のお言葉を守ってきた思いを打ち明けに参上した。天皇はすっかり忘れていたが、赤猪子を気の毒に思って、歌を詠んだ。」

この場面に登場する赤猪子は「引田部」であり、「三輪川」との表記から三輪山の祭祀に関わっていた一族の可能性が高いと思います。

このように、秉田神社は、三輪山との関係が深く、ダンノダイラとの距離は十二柱神社より近い位置にあり、さらに、この秉田神社は西方から遷ってきたと伝わっています。そうなると、ダンノダイラの磐座は十二柱神社の元宮ではなく、秉田神社の元宮ではないかという可能性が出てきます。しかし、筆者はそうは考えていません。『大和志(1736)』に「秉田(ひきだ)神社二座  鍬靭〇在白川村轟瀧上今称白山 」と、秉田神社は、轟瀧の上の白山と呼ばれる場所にあると書かれています。また、江戸時代以前は「白山社」と呼ばれていたとも伝わります。

「白山」という場所は、ダンノダイラから西に350メートルの所にあります。奥不動寺から100メートルも離れていません。この辺りの30メートル四方だけ、白い花崗岩が風化して真っ白な風景になっています。足を踏み入れた途端に真っ白い世界となり、白い岩に反射した太陽の強烈な光に包まれます。まるで異世界に迷い込んだかのようです。非常に特異な風景なので、この場所が自然崇拝の対象となってもおかしくはありません。筆者は、秉田神社の元宮は、この白山ではないかと考えています。しかし、現時点では、筆者の推測に過ぎず祭祀の痕跡は発見できていませんので、分類は「奇岩」に分類しました。

 

イワクラハンター平津豊

 

#イワクラ #磐座 #巨石 #megalith #古代祭祀 #巨石文明 #古代文明 #平津豊 #イワクラハンター #奈良県 #桜井市 #ダンノダイラ #出雲村 #白山 #秉田神社 #曳田神社 #三輪山 #大神神社 


本ページのリンクおよびシェアは自由です。

最近、本ページの内容をそのままコピーして転載しているサイトを見かけますが、本ページの内容、テキスト、画像等の無断転載(複製して他の媒体に公開)を固く禁じます。特に、まとめサイト等への使用を厳禁いたします。また、出典を明記しての引用は許可していますが、以下の引用のルールに則って行ってください。それ以外は「盗用」「剽窃」となります。1.引用元が明示されていること/2.引用部分が明確に区別されていること/3.引用部分を修正していないこと/4.引用する必然性があること/5.分量的にも内容的にも、自分の著作部分が主で、引用部分が従であること


[さらに詳細な情報]